こんにちは、HIRAKUです。
今回は子ども達の素敵なやりとりのエピソードをご紹介します。
おやつの時間でした。
その日のおやつは「やわらかロール」という細長いパン。
「節分」が近いこともあり、恵方巻に見立てて西南西に向かって食べることで
季節の行事を実感しながらおやつを楽しんでほしという思いからです。
やわからロールの味は三種類、“ミルク”・“カスタード”・“チョコ”というラインナップです。
おやつの時間は「選ぶ」ことの、大切なタイミングでもあります。そのため市販のおやつの際には味を選べるように何種類か用意するようにしています(^^)
その日も、準備をしてやるべきことを終えたお友だちから味を選んでもらいました。
この日の人気味は「チョコ味」。
残りのチョコ味が一つになり、二人の男の子が「チョコがいい」と言いました。
さあ、どうする??
単純にジャンケンで決めてもいいのですが、ここは子ども達のやりとりを支援するチャンスの場です。
職員はAくんとBくんに提案しました。
「ジャンケンして勝ったほうがチョコ味にする?それとも、負けたほうがチョコ味にする?」
Aくんは「負けたほうがチョコ味にする」とのこと。
Bくんは「勝ったほうがチョコ味にする」と言いました。
職員「じゃぁ、ジャンケンで”勝った方がチョコか負けたほうがチョコか”決めようか」
じゃーんけーんっ、ぽんっ!!
Aくんが勝ちました。
職員は再度じゃんけんで勝ったAくんに聞きました。
「ジャンケンで勝った方がチョコにする?負けた方がチョコにする?」
Aくんは少し考えてやっぱり「負けた方がチョコにする」と言いました。
職員「じゃぁ、いまからジャンケンをして負けた方がチョコ味だよ。せーの!」
じゃーんけーん、ぽんっ!!
……またまた、Aくんが勝ちました。
しかしAくんは涙を浮かべ「ぼくカスタード食べれないのに……(:_;)」
1回目にじゃんけんに勝ったAくんが「負けたほうがチョコ味」と決めたため、
2回目のじゃんけんも勝ったAくんですが「チョコ味が食べられない」という結果になってしまったのです。
涙を拭きながら「やだ」と抵抗してみるAくん。しかし自分が決めたルールでもあるためそれ以上強くは言えません。
その様子を見ていたBくん。
小さな声で「俺、どっちでもいいんだけどな~」とつぶやきました。
職員は「Bくんどっちでもいいんだけどな~って言ってるよ。お願してみたら?」とAくんに言いました。
Aくん「やだ……」と、いじけています。
職員は続けました。
「お願いしたらもしかしたら替えてもらえるかもね。でもお願いは自分の口でしないとね。」
Aくんはしばらく考えていました。
もじもじ……勇気が出ないのか黙ったままです。
職員が「一緒に言いに行く?」と声かけすると、ちょっと考えて「うん」と小さく頷きました。
Aくんと一緒にBくんの側に行きます。
「○○くん、カスタードは食べれないから、チョコに替えてください、だね」とAくんにいうと、
Aくんは小さい声ながらもはっきりと「かえてください」と自分の口から言うことができました。
待ってくれていたBくん。
「いいよ」と言ってくれ、Aくんは「ありがとう」とお礼をいい、
自分の席にチョコ味を持ち帰ることができました。
このように、HIRAKUでは常に子ども達がどんな風に相手と関わっていけばいいか、その練習になるように言葉がけ・支援を行っています。
大人が介入すると、こんな素敵な結果にはならないものです。子ども同士の関わりに勝るものはありませんね(^^♪
引き続き、HIRAKUでは大人の役割は『仲介』と心がけていこうと、心打たれた子どもたちの姿でした。